このマニュアルの目的
iRehab の問診前機能は一つの設計原則に基づいています。AI は先生の代わりに文章を書くのではなく、先生の時間を取り戻すために存在します。患者が椅子に座ったとき、画面には既に構造化された要約があります。基本情報を集めるのに 5 分費やさず、その 5 分を聴く・診る・判断することに使います。全体の設計思想は 問診前ブリーフ:患者が「腱か神経か」答えられないとき をご覧ください。
このマニュアルは実際に機能を使う医師のためのものです。印刷して机に貼ってご利用ください。
1. 診察前:当日の QR ポスターを印刷
- Doctor PWA(
irehab-doctor.pages.dev)を開いてログイン - **「問診前」**タブへ切替
- 右上の**「本日の QR を印刷」**をタップ
- A4 プレビューが開く → 印刷、または PDF として保存
ポイント:
- クリニックのデスクトップから印刷するとレイアウトが崩れにくいです。iPhone Safari はたまに崩れるので、スマホだけのときは一度 PDF に保存してから印刷
- ポスターには当日担当医の氏名が印字されます。医師が変わったら再印刷
- 患者が見つけやすい場所(待合室・受付カウンター)に掲示。QR が読めない患者には受付スタッフがサポート
2. 問診前リストの読み方
患者が送信すると、記録が約 30 秒以内に「問診前」リストに現れます。各カードに表示されるのは:
- 氏名 + 生まれ年 + 性別(乳幼児は「X 歳 Y か月」と表示)
- 主訴 1 行(患者の原文、翻訳なし)
- VAS 疼痛スコア(0–10)
- 感覚タイプラベル(痛み / しびれ / 力が入らない / 複数 / その他)
- 赤い注意バー — 症状の組み合わせで追加注意が必要なとき表示。優先的に診察
- ⚠️ 手動追加ラベル — コードで他医師のリストから引いてきた記録。問診で少し多めに確認
カードを展開すると 2 形式の問診要約ドラフトが見えます:
- 電報体要約 — ワンタップで HIS の S 欄に貼り付け(
R't knee、B/L、F/M/N) - 文章形式 — IRB 報告書や紹介状を書く際に
3. 診察中の判断ツリー
診察終了時、ひとつの終了ボタンを押します。3 択:
┌──────────────────────────┐
│ 経過観察(保存的) │ → 患者を iRehab 経過観察リストへ
│ │ 再診 3 日前に VAS + GROC 問診を自動送付
└──────────────────────────┘
┌──────────────────────────┐
│ 手術またはリハビリ │ → 正式な診療記録を作成
│ │ パスウェイを選択(TKA / THA / 肩 / 一般リハビリ)
└──────────────────────────┘
┌──────────────────────────┐
│ 終了(フォロー不要) │ → 記録を 180 日間保持、将来参照可
│ │ システムは以後通知を送信しません
└──────────────────────────┘
各ボタンは確認ダイアログで「次にシステムが実行する内容」を示します。確認のうえ送信してください。
4. 確認コードによる手動検索
使用タイミング:
- 自分のリストが空なのに患者が入力済みと主張
- 患者がコード
PC-XXXXXXを持ってきた - 他医師の代理診察(患者が他医師の QR を読んだ)
- 他診察室のサポート
手順:
- リスト右上の**「⊕ 手動追加」**をタップ
- 患者が読み上げる 6 文字を入力:
PC- [ _ _ _ _ _ _ ](大文字小文字問わず。LINE からの貼り付けも可 — システムが整形) - 送信 → 記録が自分のリストに入り、⚠️ 手動追加ラベル付き
- 元々他医師の記録であれば、**「元担当医:XXX」**と表示 — 通常の自分の患者ではないため、追加で問診
制限: 同一病院内のみ検索可。病院間は不可。
5. よくある質問
Q: 患者は「入力した」と言うのにリストにないときは?
A: まず時間を確認 — 送信から表示まで約 30 秒。それでも無ければ、コード PC-XXXXXX を聞いてセクション 4 の手動追加を実行。
Q: O と 0 のような紛らわしい文字は?
A: システムは紛らわしい文字(O / 0 / I / 1)を生成コードから意図的に除外しています。患者が読むコードに曖昧さはありません。
Q: X 医師の代理診察。X 医師のリストは? A: セクション 4 で自分のリストにコードで引き込みます。カードには「元担当医:X」と表示。通常どおり終了すれば、診療記録は実際に診察した自分に正しく紐付きます。
Q: 患者が途中で帰ったら? A: 記録は「未送信」状態でリストには入りません。同じスマホで同じ QR を再スキャンすれば、最後の手順から再開されます。
Q: 誤って「終了」を押した場合の取り消しは? A: 終了後も記録は 180 日保持されます。記録を開き、右上の**「再開」**→ 「経過観察」または「手術またはリハビリ」を選択。新しい診療記録が作られ、元の終了は「取消」扱いになります。
Q: 赤い注意バーの意味は? A: 患者の回答がシステム事前設定の追加注意が必要な症状の組み合わせ(例:「脱力 + 増悪 + 持続」)に一致した状態。診断ではなく、問診時にその警告症状を確認するためのリマインダーです。緊急かどうかは先生の判断のままです。
6. AI 翻訳(任意)— 自前の Gemini キー(BYOK)
**任意機能です。**有効化しなくても日常利用に影響はありません。外国語で主訴が入力されている場合は原文がそのまま表示され、自動翻訳はかかりません。BYoAI(Bring-your-own-AI)設計:先生自身の Gemini API クォータを使用し、コストもご自身で負担(ごく僅かです)。iRehab のサーバーは LLM のレスポンスを一切保存しません。
こんな時に有効化
- 診察室で中国語以外が母語の患者が多い(ベトナム語、インドネシア語、日本語、韓国語、英語…)
- 外国語の主訴を、先生が読みやすい言語にワンタップで翻訳したい
設定手順(5 分)
Step 1 — Google AI Studio で鍵を取得
- ブラウザで https://aistudio.google.com/app/apikey を開く
- Google アカウントでログイン(個人アカウント推奨、病院提供アカウントは避ける)
- **「Create API key」**を押す →
AIza...で始まる文字列が生成される - タブを閉じずにこの文字列をコピー
Step 2 — billing を有効化(非常に重要)
- 作成した鍵の右側を押す → または左サイドバー「Billing」から billing を有効化
- 無料枠だけ使う場合でも、Google はプロジェクトにクレジットカード登録を要求します(正常なクォータ割当のため)
- billing 未設定だと登録自体が失敗します(「quota exceeded」エラー)
Step 3 — Doctor PWA で鍵を登録
- 下部タブを **「✨ AI」**に切替(プロフィールではありません;BYOK 設定はプロフィールから AI タブへ移行しました)
- **「BYOK Gemini キー」**カードを探す
- **「有効化して鍵を入力」**をタップ
- 用途説明を読む → 続行
- 3 つの同意項目すべてにチェック(データは Google へ送信、病院が許可、Google 側の処理に iRehab は責任を負わない)→ 続行
AIza...を貼り付け → 「鍵を保存」- 成功すると緑のインジケータ **「設定済み(有効)」**が表示されます
よくある登録エラー
| エラー | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 形式が正しくありません | コピー時に空白や欠落がある | AIza... 全体を正確にコピーしなおす |
| 鍵が無効または取消済み | 実際に削除・権限制限された鍵 | AI Studio で再生成 |
| クォータ上限 | Google 側クォータに達した | 1–2 分待機 / billing 確認 / 鍵を更新 |
| Google 応答エラー | Google からの応答形式が異常 | 1 分待って再試行;継続する場合エンジニアリングへ連絡 |
| サービス一時不安定 | iRehab の KMS 一時的に利用不可 | 1 分待って再試行 |
| 試行回数過多 | 1 時間内に 20 回以上の登録試行 | 1 時間待機 |
有効化後の使い方
問診前リストで患者カードを展開 → Path B エリアに 「主訴を翻訳」ボタンが表示されます(患者の主訴言語 ≠ 先生の UI 言語のときのみ表示)。タップすると主訴が先生自身の Gemini API に送信され、数秒で 1 行の翻訳がカードに表示されます。
重要:
- この翻訳は読解補助であり、HIS の S 欄を上書きしません。S 欄は元の電報体サマリーを貼り付けます
- 患者の原文は診療記録に 100% 保持されます — 改変・要約・書き換えなし
- 翻訳はタップした時だけ実行されます — 自動起動なし。いつ翻訳するかは先生が決めます
セキュリティ保証(病院 IT から質問された場合)
- 鍵は先生のブラウザ + iRehab バックエンドから出ません。ログ/エラーメッセージ/サポートシステムには記録されません
- バックエンド保存は Google KMS envelope encryption(二重暗号化)。iRehab のエンジニアでも直接復号はできません
- 鍵復号のたびに Google Cloud Audit Log に記録されます(異常使用を追跡可能)
- iRehab サーバーは LLM 応答内容を保持しません。翻訳結果はブラウザ上でのみ表示されます
- AI タブの **「鍵を削除」**をいつでも押せます — バックエンドの暗号化 secret は即座に削除
- 利用履歴ログは監査のため保持され、削除されません
病院 IT への説明文
- データは HTTPS で Google Gemini API(
generativelanguage.googleapis.com)へ送信されます - 送信内容は患者の主訴テキストのみ — 氏名・身分証・カルテ番号は含まれません
- Google 側の保持ポリシー:商用 API 経路のため、モデル学習には使用されません(契約上の保証あり)
- 病院の規定で禁止の場合、IT が部長に通知してください。バックエンドから当該施設全体でこの機能を無効化します
